ナナカ -不思議の迷宮録- エディタマニュアル

<基本仕様>

●基本事項

 セルに記述する書式は、すべてのページで共通です。

 ひとつの設定を、エディタの一行を使って記述します。
 一番左のセルには設定項目を記述し、残りのセルにはその項目に応じた値を記述します。
 設定項目のセルが空の行は読み込まれません。

 設定は上から1行ずつ読み込まれ、順次反映されます。
※ソート機能での並べ替えは影響しません。ソート解除状態での並び順で読み込まれます。
 同じ設定項目の指定が行われた場合、基本的には設定が上書きされます。一部の設定では、複数行に渡って記述するために上書きではなく追加されるものもあります。詳しくは各設定の解説ページを参照して下さい。

 //で始まるセルは無視されます。設定項目のセルが無効の場合はその行すべてが無視されます。
 この状態は左端の行番号のセルをダブルクリックすることで切り替えることができます。テストプレイ時に条件を一時的に変更する際などに利用できます。

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●テンプレート

 メニューバーの「ファイル→テンプレートを開く」で読み込まれるテンプレートファイルは、編集できる項目の一覧であるとともに、それらの簡易説明でもあります。

 最初から値が記入されている項目に関しては、それがデフォルト値となっています。
 その項目を設定しなかった場合は、そのデフォルト値が採用されることになります。

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●数式

 値の指定には、数式を用いることができます。
 使用できる演算子は以下の通りです。

 + (加算)
 - (減算)
 * (乗算)
 / (除算)
 % (剰余) ※小数点以下切捨ての整数で計算されます。
 ^ (べき乗)

 以下は比較演算子です。主に後述のif関数で用います。

 >  (左辺が大きいなら1が、そうでないなら0が返る)
 >= (左辺が大きいか等しいなら1が、そうでないなら0が返る)
 <  (左辺が小さいなら1が、そうでないなら0が返る)
 <= (左辺が小さいか等しいなら1が、そうでないなら0が返る)
 == (左辺と右辺が等しいなら1が、そうでないなら0が返る)
 != (左辺と右辺が等しくないなら1が、等しいなら0が返る)

 数式に関数を用いることもできます。
 関数名(引数) の書式で記述します。引数にも数式を記述できます。
 引数が複数ある場合、,(カンマ)で区切って指定します。
sqrt(x)xの平方根を求める
log(x)xの自然対数を求める
log10(x)xの常用対数を求める
exp(x)ネイピア数eのx乗を求める
abx(x)xの絶対値を求める
int(x)xの小数点以下を切り捨てる
ceil(x)xより大きい最小の整数を求める
round(x)xを四捨五入する
if(x,y,z)xが0でないならyが、0ならzが返る
range(x,y,z)xの結果がy以下ならyが、z以上ならzが、それ以外ならxが返る
range_min(x,y)xの結果がy以下ならyが、そうでないならxが返る
range_max(x,y)xの結果がy以上ならyが、そうでないならxが返る

 ()で計算の優先順位を指定することが出来ます。
 数値や演算子、関数はすべて半角文字で記述します。
 式の途中に半角スペースがあっても無視されます。ただし、二文字以上の演算子や関数名を半角スペースで区切ることはできません。

 式の計算に小数を用いることもできます。除算などの結果も小数で計算されます。ただし、多くの項目では、最終的な結果は小数切捨ての値となります。

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●変数

 数式に変数を記述することができます。
 変数は、ファイルを読み込んでダンジョンを作成する際に、状況に応じて数値が変わるものです。

 変数は、数値・演算子以外の文字で指定します。
 変数には、最初から予約されているものと、自由に定義できるものがあります。

・変数定義

define変数名
 と記述すると、その変数名を使用できるようになります。defineと変数名は別のセルに記述します。
 変数が有効になるのは、そのファイルのその行以降のみです。

set変数名数式
 と記述すると、変数名に値をセットします。それぞれ別のセルに順に記述します。

・予約されている変数
base :その項目の現在の設定値が入っています。複数の値を使う書式の場合はそれぞれ別に保持されています。
例) 乱数書式で、元々1,4と設定されている項目にbase,base*2と指定すると、1,4*2という指定と同じ結果になります。
 base変数は、設定の一部の値を引き継いで上書きするときに用います。

floor :現在の階数が入っています。フロア設定ページでのみ有効です。
bfloor :現在のボーナスフロアの階数が入っています。ボーナスフロアではないときは0になります。


 計算式書式では、多くの変数が予約されています。
 どのような変数が予約されているかは、各項目の解説ページを参照して下さい。

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●数式オプション

 数式の後に[]でくくったオプションを指定することが出来ます。
min=x :数式の計算結果がx以下の場合、xになります。
max=x :数式の計算結果がx以上の場合、xになります。
 両方を指定する場合、,(カンマ)で区切ります。
 数式オプションの値xに数式を用いることもできます。

例) floor*4[min=10,max=100] →現在のフロア数の4倍の値、最小が10で最大が100

 変化書式のとき、{}でくくったオプションを指定すると、変化後の値の上限・下限を設けることができます。
lmin=x :変化後の計算結果がx以下の場合、xになります。
lmax=x :変化後のの計算結果がx以上の場合、xになります。
例) *=2{lmax=10} →二倍にするが、10以上にはならない

 変化書式で複数の式を記述した場合、それぞれの式に対し上限・下限のオプションが指定できます。
例) +=10{lmax=10}; *=2{lmax=100}  →10を加算したときの上限が10、倍にしたときの上限が100

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●値の書式

 項目によって、設定に使う値の書式が異なります。
 複数の値を記述する形式の場合は、,(カンマ)で区切ります。
 また、値はすべて半角で記述します。

<数値>
 その通り数値です。他の書式は数値の組み合わせで記述します。
 計算過程では小数が有効ですが、特別な場合を除いて結果は整数(小数点以下切捨て)となります。

<乱数>
書式:最小値,最大値,(偏り)

 最小値最大値で指定した数値を含む範囲でランダムな値となります。
 アイテムの配置数などに用います。

 最小値最大値には整数を指定します。偏りには自然数(1以上の整数)を指定します。
 偏りに指定した値が大きいほど、中央の値が出やすくなります。偏りnのとき、ダイスをn回振ったときの平均値になる、と考えてください。
 偏りは省略することができます。そのときは偏りn=1となり、どの値も同じ確率で出ることになります。
 値をひとつのみ指定した場合、ランダムではなくその値のみとなります。

例) 2,4 →2〜4の範囲でランダムな値になる
例) 1,9,2 →1〜9の範囲でランダム、5が一番出やすく1,9は出にくい
例)  3 →常に3となる

<確率>
書式:分子,分母

分子/分母となる確率を自然数で指定します。
 店の出現確率などに用います。

 分母を省略した場合、分母n=100となります。%表記と考えてください。

例) 1,10 →1/10の確率
例)  25 →25/100の確率

<変化>
書式:演算子=数値

 最初に演算子を指定する書式です。
 得られる経験値を変化させるなど、ゲームプレイ中の値を変化させる項目に用います。
 また、演算子=を記述しない場合は、上書きとなります。

例) +=10 →元の値に10を足す
例)  /= 2 →元の値を半分にする
例)  10 →元の値に関係なく10となる

 ;(セミコロン)で区切ることで、複数の式を指定することができます。
 式は左から順に計算されます。

例)  +=10;*=2; →元の値に10を足し、さらにその結果を2倍にする

 また、式にbase変数を指定すると、設定前の値がそのまま代入されます。
例)
/=2{lmin=10};+=3
+=1;base;*=2
 同じ項目に、上記の二行を順に指定すると、
+=1;/=2{lmin=10};+=3;*=2
 という値が指定されることになります。

<フラグ>
書式:on または off

 onoffでのみ指定する書式です。
 onのときに設定が有効になり、offのときに設定が無効になります。
 空や不正な文字のときは無効の扱いとなります。

<アイテム>
書式:アイテム名 (オプション文字列)

 一行すべてを使って記述します。
 初期所持アイテムの指定などに用います。
 アイテム名にモンスターの心・魂の壺を設定する場合、モンスター名を使って指定することができます。
 ミニモンの心ミニモンの壺 のように記述します。

 アイテム名@種類とすると、その種類からランダムで選ばれます。ただし、そのダンジョンに出現するアイテムからしか選ばれません。
 種類に指定できる文字列は以下の通りです。
武器食料
水薬巻物ペン
魔法石お守り
お金

 アイテム名に、フロア出現,店出現,変化出現,宝出現
 のいずれかを指定すると、対応した出現テーブルからランダムで選ばれます。

 オプション文字列には以下のものが指定できます。
 複数指定する場合は、別のセルに順次記述します。

count:x :強化値・使用回数・経験値をxにします。xは変化書式で記述します。
capacity:x :器をxにします。武器・盾・魂の壺で有効です。xは変化書式で記述します。
off :罠のときのみ指定できます。隠れた状態で配置されます。主にパズルダンジョンで使います。
 :そのアイテムが呪われた状態で配置されます。
 :そのアイテムが封印された状態で配置されます。複数回指定するとその分封印が深くなります(最大3段階)。
未識別 :そのアイテムが未識別状態で配置されます。
メッキ/保護/濡れ/凍結/ヒビ :そのアイテムがそれぞれ指定された状態で配置されます。
 アイテムの種類によっては、変化できない場合があります。
(アイテム名を指定) :そのアイテムに、指定したアイテムが持つ能力を合成します。武器、盾、魂の壺のときのみ有効です。
(能力名を指定) :そのアイテムに、指定したモンスター能力を合成します。武器、盾、魂の壺のときのみ有効です。

例)
日本刀count:10まもりの剣おにぎり
 →日本刀+10[ま食] となる
ミニモンの壺capacity:+=3転ばし
 →器が通常より3増え、転ばしの能力を持つミニモンの壺となる
@武器
 →ダンジョンに出現する武器が呪われた状態でランダムに選ばれる

<モンスター>
書式:モンスター名 オプション文字列

 一行すべてを使って記述します。
 固定配置モンスターの指定などに用います。

 モンスター名に、@の後に属性を指定すると、その属性全ての中からランダムに選ばれます。
 属性に指定できる文字列は以下の通りです。(下の行のものは簡易表記)
@ノーマル@獣@人形@飛行@ドレイン@アンデッド@水棲
@無@人@飛@吸@死@水
 属性の後に,(カンマ)で区切り値を記述すると、ランクを指定することができます。1から4までが指定でき、その属性の中から、指定したランクのモンスターが選ばれます。

 @の後にモンスター名を指定すると、そのモンスターを含む種族のすべてのランクからランダムで選ばれます。

例)  @獣,1 →獣属性のランク1モンスターからランダムで
例)  @ミニモン →ミニモン系のモンスターがランダムで

 モンスター名に、フロア出現と指定すると、そのフロアの出現テーブルからランダムで選ばれます。

 オプション文字列には以下のものが指定できます。

Lv:x :発生時のレベルをxにします。xは変化書式で指定します。
capacity:x :発生時の器数をxにします。xは変化書式で指定します。
boss :この指定をするとボスモンスター扱い(倒さないと階段を使えない)になります。
item:アイテム指定 :初期状態で持っているアイテムを指定します。持っている確率は下記のdropオプションで指定します。
drop:x :発生時に、xで指定した確率で、itemオプションで指定したアイテムを落とします。
sleep:状態 :発生時の睡眠状態を指定します。状態に指定できるのは以下の通りで、右のものほど眠りが深くなります。
なし浅い深い瞑想

アイテム名を指定 :指定したアイテムが持つ能力を持たせます。
能力名を指定  :指定したモンスター能力を持たせます。

例)
ミニモンLv:5drop:100item:日本刀 count:10
 →倒すと日本刀+10を落とすLv5のミニモン
アイテム書式をひとつのセルに納める場合などは、セル内でタブで区切ります。

<計算式>
 式の結果の値ではなく、式自体を読み込む書式です。
 ゲームプレイ中に必要に応じて計算されることになります。そのため、特殊な変数が用意されている場合がほとんどです。

<文字列>
 指定した文字列がそのまま使われます。
 主にテキストの指定ですが、数式をそのまま使う場合や、複数の数式を指定する場合などがあります。

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●特殊な指定

 項目の中には、数式の代わりに特殊な文字列を指定できる場合があります。
 詳しい使い方は、それぞれの項目において説明があります。

 なし:設定を初期化するときなど。無しでも可。
 すべて:複数の項目を設定できる場合などに、すべてを対象にする。全てでも可。

・特殊な項目
include ダンジョン名
 と記述すると、ダンジョン名に指定したダンジョンの設定が読み込まれます。includeダンジョン名は別セルに続けて記述します。
 ダンジョン名には、本編のダンジョン名のほか、別のエディットダンジョン名も指定できます。
 別のエディットダンジョンとの共通部分をまとめたり、本編のダンジョンの設定を引き継ぐときに利用します。

例)
include深遠の迷宮
 →そのページに深遠の迷宮の設定を読み込む
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●エラーの出力

 ダンジョンファイルをゲーム本体で読み込んだ際、書式などに間違いがあった場合、nanaka.exeと同じフォルダに「ErrorLog.txt」が作成され、エラー一覧が出力されます。
 エラーが見つかった行と簡単な説明が出力されますので、それを参考に修正して下さい。

 ErrorLog.txtは、エディットダンジョンを実行するたびに内容が上書きされます。
 (エラーが一切出力されなかった場合は上書きされません。)

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●デバッグモード

 基本設定で、デバッグモードで実行するかどうかの設定を指定できます。
 デバッグモードで実行している場合、以下の機能が有効になります。

・HPが0になったときにダイアログが表示され、OKを選択するとHPを含むステータスが全回復
・冒険回数、クリア回数が加算されない
・ランキング、プレイデータが残らない

 デバッグモードでプレイ中に以下のキーを押すことで、デバッグ用のサポート機能を使うことができます。
 入力待ち状態のときのみ有効です。メニューウィンドウを開いているときや、ターン進行中は機能しません。

F5: レベルアップ、所持金+10000、魔力+100
F6: 入力したアイテムを入手
F7: 未定
F8: マップすべて表示
F9: そのダンジョンで拾えるアイテムをランダムでひとつ入手
F11: 次のフロアへ移動
F12: 20F先のフロアへ移動

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